調査レポート · 2026年7月
独自調査

500社を調査。llms.txtにH1とリンクがあったのは54社。

S&P 500の全500社を調べ、71社でllms.txtを検出しました。そのうち、タイトルとMarkdownリンクの両方があったのは54社。各サイトの応答を確かめて分かったことをまとめます。

図01 / 調査対象の全体像500社のうち54社1マスが1社です。塗りつぶしたマスは、H1見出しとMarkdownリンクがある企業です。
  • H1 + Markdownリンク54
  • その他の検出ファイル17
  • 存在しないと確認330
  • アクセス不能94
  • HTMLまたは空の応答5

2026年7月26日。アクセス不能94社を「存在しない」に含めていません。HTML応答4社と空の応答1社も別に示しています。図の根拠データ ↗

調査対象の企業
500
ファイル検出 · 14.2%
71
H1とリンクあり · 10.8%
54

H1とリンクの有無は本調査の構造基準です。AIでの可視性や、llms.txt提案への厳密な準拠を判定するものではありません。

調査データを見る

検出は71件。H1とリンクがあったのは54件

S&P 500に含まれる全社のコーポレートサイト(ルートドメイン)を調べました。調査時点のインデックスには503銘柄が含まれていましたが、複数の株式クラスをまとめると500社になります。

71社が /llms.txt で空でないテキストを返しました。MarkdownのH1と、少なくとも1本のMarkdownリンクの両方を備えていたのは54社、500社の10.8%です。

検出した71件のうち17件は、H1またはMarkdownリンクを欠いていました。検出ファイルの23.9%にあたります。

llms.txt の提案では、必須のセクションはH1だけです。ファイル一覧のセクションを使わない場合、リンクは任意です。そのため私たちは、H1とリンクの両方を見るこのテストを「提案に沿った形」と呼んでおり、仕様準拠の判定ではありません。読み手を有用なコンテンツへ導くというファイルの目的に対する、実務的な品質基準です。

S&P 100では11社がH1とリンクを備えていた

結果をiShares S&P 100 ETFの構成銘柄(2026年7月23日時点)と突き合わせました。構成銘柄は101銘柄ですが、Alphabetが2つの株式クラスを持つため、企業数は100社です。

この100社の大型優良企業のうち、llms.txtを検出できたのは16社です。H1とリンクの基準を満たしたのは11社。63社は不在を確認し、21社は2つの収集方法のどちらからもアクセスできませんでした。

図02 / 指数別の検出率大企業100社でも、割合はほぼ同じ各指数の企業数に対する割合。すべて同じ0〜20%の目盛りです。
S&P 500 · ファイル検出14.2%
S&P 100 · ファイル検出16.0%
S&P 500 · H1とリンク10.8%
S&P 100 · H1とリンク11.0%

分母はそれぞれ500社と100社。S&P 100はS&P 500の一部で、独立した標本ではありません。出典:本調査と2026年7月23日付iShares OEF構成銘柄。図の根拠データ ↗

llms.txtを検出したS&P 100の16社は、Adobe、American Express、AT&T、Booking Holdings、Cisco、Colgate-Palmolive、CVS Health、GE Aerospace、McDonald’s、Nvidia、Salesforce、Simon Property Group、T-Mobile、Thermo Fisher Scientific、U.S. Bancorp、Verizonです。

HTTPだけで行った最初のパスでは67件を検出し、うちS&P 100は15社でした。ブラウザによる再取得でT-Mobileを含む4件が加わり、最終的に71件、16社になりました。

200が返っても、ファイルがある証拠にはなりません

/llms.txt の確認は二択に聞こえますが、実在のウェブサイトが相手になるとそうはいきません。存在しないパスをホームページへリダイレクトするサイトがあります。HTTP 200でブランド仕様のHTMLエラーページを返すサイトもあります。未知のURLすべてに同じフォールバックページを返すサイトもあります。アプリケーションに届く前に、セキュリティ層が自動リクエストを遮断することもあります。

最終的な分類では、330社を不在と確認しました。対照パスとの比較で確認したHTMLフォールバックやソフト404も含みます。別の94社は、直接のHTTPリクエストとブラウザでの再試行のどちらでもアクセスできませんでした。内訳はアクセス拒否64件、ネットワーク障害27件、繰り返し発生したサーバーエラー3件です。この94社を不在には数えていません。

HTMLが成功応答で返ってきた場合は、同じオリジンに対してランダムな存在しない .txt パスもリクエストしました。/llms.txt がその対照パスと同じ挙動をしたときは、実ファイルではなくフォールバックとして扱いました。

/llms.txt で2xxを返したのは110社、実ファイルを返したのは71社でした。39件の誤検出をすべて分解した記事では、リダイレクト、HTMLフォールバック、ソフト404、そして1件の空ファイルを扱っています。

図03 / 応答と本文の違い成功応答のうち39件は誤検出だった2xx応答を返した110サイトのうち、検出基準を満たす空でないテキストファイルを返したのは71サイトでした。
HTTP成功応答110
テキストファイルを検出71
誤検出39

110件の内訳が、検出71件と誤検出39件です。応答本文、リダイレクト、ランダムな存在しないパスへの応答を確認しました。図の根拠データ ↗

実装はばらばらでした

検出した71ファイルの実装
確認項目観測値
Content-Type: text/plain64 / 71
Content-Type: text/markdown7 / 71
リダイレクトあり23 / 71
サイズの中央値8,144 bytes
サイズの90パーセンタイル116,645 bytes

検出ファイルのみの集計です。2件は1 MBの取得上限に達しました。

根拠データを確認 ↗
  • 最小の応答は1バイトでした。2件は取得上限の1メガバイトに達しました。
  • エネルギーセクターは今回のスナップショットで検出ゼロ、情報技術と資本財は観測導入率が最も高く、それぞれ18.9%と18.5%でした。

ファイルは1バイトの応答から、取得上限を超える文書までありました。有無に加えて構造、リンク、リダイレクトを調べることで、実装の状態をより具体的に把握できます。

llms.txt はAIでの可視性を高めるのか

この調査ではその問いに答えられません。測ったのは公開されている導入状況と実装であり、順位への影響ではありません。

もともとのllms.txt の提案は、推論時にLLMがサイトを利用できるよう整理されたMarkdownの地図を説明しています。特定のアシスタントがそのファイルを読むと約束するものではありません。Googleの現在の検索ガイダンスはもっと直截です。Google検索は生成AI機能も含めて llms.txt を無視します。

整理されたファイルは、それを明示的に読み込むツールでは役立つ可能性があります。ただし、公開しただけでは、アシスタントが自社を見つけたり引用したりできるかは分かりません。

クローラーのアクセス設定は個別に確認する

OpenAIは用途ごとに別々のユーザーエージェントを文書化しています。OAI-SearchBot はChatGPTの検索に使われ、GPTBotはモデル学習に関係し、ChatGPT-Userはユーザーの操作に応じてページを取得することがあります。これらは別々のアクセス判断です。Anthropicも同様に、学習、検索、ユーザー起点の取得それぞれに別のボットを文書化しています。

だからこそ、まじめなAI対応レビューは llms.txt では終わりません。ユーザーエージェント別の robots.txt、サイトマップの発見可能性、正規URL、クロールできるページ本文、JavaScriptへの依存、構造化された事実、そしてセキュリティ基盤が本来通したい訪問者を遮断していないかまで確認します。

チェッカーで区別すべきこと

CitationWorksはすでに、クロールに関する技術的な問題の確認、llms.txt のドラフト生成、ブランド言及のモニタリング、AIの回答が引用した出典の記録を行っています。今回の調査は、これらがひとつにまとまるべき理由を示しました。ファイルの横にある緑のチェックだけでは足りません。実際のMarkdownファイルとソフト404、アクセス拒否と不在の確認、技術的に到達できるページと実際に引用されているブランドを、それぞれ区別する必要があります。

  • ファイルの有無、構造、リダイレクト、MIMEタイプ、サイズ、リンクの健全性を、別々に測る。
  • 遮断されたサイトやタイムアウトしたサイトは「アクセス不能」と記録し、「不在」とは記録しない。
  • 直接の取得が拒否されたら、ブラウザやプロキシで再取得する。
  • 怪しいHTML応答は、ランダムな存在しないパスの対照と比較する。
  • AIの言及と引用元を継続的に記録し、技術的な変更を実際の成果と突き合わせられるようにする。

次の調査では、llms.txtの有無で企業を比較し、複数のアシスタントに同じ購買者の質問を投げて、言及、引用、事実の正確さを記録できます。ただし、差があっても観察結果にとどまり、ファイルが原因だとは断定できません。

自社サイトの確認項目

  1. /llms.txt の応答そのものを確認する。HTTPステータスだけでなく、リダイレクト、コンテンツタイプ、本文まで見る。
  2. 公開するなら、明確なH1から始め、短いブランド説明を添え、重要なMarkdownリンクを少数に絞って有用な説明とともに並べる。
  3. リンク先のページは公開・正規・最新に保ち、肝心の事実を読むのにブラウザ側のアプリケーションを必要としない状態にする。
  4. robots.txt は検索、学習、ユーザー起点のAIエージェントごとに分けて見直す。ひとつのルールがすべての用途を制御していると考えない。
  5. 事業上の成果を継続的に見る。購買者が関連する質問をしたときに、アシスタントがブランドに言及するか、正確に説明するか、自社ページを引用するか。

調査方法

調査スナップショットは2026年7月26日に完了しました。調査時点のS&P 500構成銘柄を、500の企業と公式のコーポレートルートサイトに対応づけました。/llms.txt をリダイレクト追従つきでリクエストし、判定が曖昧なケースはヘッドレスChromeで再試行しました。HTMLが返った成功応答は、ランダムな存在しない対照パスと比較しました。検出と判定したのは、空でもHTMLでもない2xx応答で、ソフト404に似ていないものだけです。

「提案に沿った形」という品質基準では、MarkdownのH1と少なくとも1本のMarkdownリンクを求めました。提案の最低要件であるH1より、意図的に厳しくしています。S&P 100との比較には2026年7月23日付のiShares OEF構成銘柄ファイルを使い、Alphabetの2つの株式クラスを1社にまとめました。

これはある時点での技術的な全数調査です。ファイル、ウェブサイト、インデックスの構成、プロバイダーの挙動はいずれも変わり得ます。訂正のご連絡は歓迎します。

注記

  1. 集計は銘柄ではなく企業単位です。503のS&P 500銘柄が表す500社を数えています。
  2. アクセスできなかった94サイトは、不在の確認から除外しています。私たちの収集環境からは、実際の llms.txt の状態を観測できませんでした。
  3. 本調査のいかなる結果も、llms.txt を公開することでAIの回答にブランドが順位付けされる、登場する、引用されるようになることを示すものではありません。