AIに最も多く名前が挙がるブランドが、最初に推薦されるとは限りません

執筆者: Nemanja Milenkovic · 最終更新 2026-10-23

5つのソフトウェア分野で、AIの回答150件を数えました。Bitwardenはパスワード管理の回答28件に登場し、最初に挙げられたのは6件でした。Mailchimpは12件に登場し、最初に挙げられたのは0件でした。

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同じように見える2つの数字

今回集めたパスワード管理ツールの回答30件のうち、Bitwardenは28件に登場しました。1Passwordは25件です。

この数え方ならBitwardenの勝ちです。では、別のものを数えてみます。各回答が最初に挙げたブランドです。1Passwordは16回、Bitwardenは6回でした。

同じ回答、同じアシスタントで、勝者が2つに分かれました。

多くのAI可視性レポートが示すのは1つ目の数字です。数えやすいからです。この記事で扱うのは2つ目の数字と、その差です。

図01 / 最初に挙げられた割合名前が挙がった回答のうち、最初に挙げられた割合そのブランドに触れた回答のうち、最初の選択肢として示した回答の割合です。同じ分野のブランドを並べています。
1Password(パスワード管理)25件中16件
Bitwarden(パスワード管理)28件中6件
QuickBooks(会計ソフト)25件中17件
Xero(会計ソフト)25件中5件
Asana(プロジェクト管理)23件中9件
ClickUp(プロジェクト管理)24件中3件
Salesforce(CRM)12件中1件
Mailchimp(メールマーケティング)12件中0件

AI Visibility Index 2026年9月28日実施分。各分野10問の購買質問(英語)を、ChatGPT・Claude・Geminiにウェブ検索ありで1回ずつ質問し、分野ごとに30件の回答を集めました。各分野に1問、ブランド名を含む質問があります。その影響は後半で確認します。集計データをダウンロード(CSV) ↗

5分野のうち3分野で起きていました

9月のAI Visibility Indexの全分野、つまり会計ソフト、CRM、メールマーケティング、パスワード管理、プロジェクト管理で同じ確認をしました。

最も多く名前が挙がったブランドと、最も多く最初に挙げられたブランド
分野最も多くの回答に登場最も多く最初に登場
会計ソフトQuickBooksとXero、各25件QuickBooks、17件(Xeroは5件)
CRMHubSpot、26件HubSpot、12件
メールマーケティングMailerLite、19件Klaviyo、6件(MailerLiteは4件)
パスワード管理Bitwarden、28件1Password、16件(Bitwardenは6件)
プロジェクト管理ClickUp、24件Asana、9件(ClickUpは3件)

各分野30件の回答が分母です。1件の回答の中で何度登場しても、ブランドは1回として数えています。

Indexで全分野を見る ↗

両方の数え方で同じブランドが首位だったのはCRMだけでした。会計ソフトでは、QuickBooksとXeroの登場回数は同じでしたが、最初に挙げられた回数はQuickBooksがXeroの3倍以上でした。

回答に入ることと、回答の先頭に立つことは別の仕事です。どこにでも登場しながら、ずっと「代わりの候補」の位置にいるブランドもあります。

Mailchimpは12件に登場し、先頭は0件

メールマーケティングの回答30件のうち、Mailchimpは12件に登場しました。最初の選択肢になったのは0件です。

10問のうち2問はMailchimpの名前を含んでいました(「Mailchimp alternatives worth switching to?」と「Klaviyo vs Mailchimp for a Shopify store?」)。そのため、12件の一部は質問そのものに由来します。それでも、Mailchimpから始まる回答は1件もありませんでした。

メールマーケティングは、先頭のばらつきが最も大きい分野でもありました。30件の回答で、16の異なるブランドが最初に挙げられています。パスワード管理では8、会計ソフトでは7でした。

先頭の席が誰のものでもないなら、その席は空いています。脅威になるか機会になるかは、見ているかどうかで決まります。

質問の影響もあります

どの分野にも、「1Password vs Bitwarden: which should I pick?」のような比較の質問が1問ありました。この種の質問への回答は、質問で先に書かれたブランドから始まることがあります。これが数字を傾けている可能性があります。

そこで、最も厳しい条件で確かめました。比較の質問で先に書かれたブランドから、アシスタントごとに1回ずつ、つまり分野ごとに3件の「最初」を差し引きました。

  • パスワード管理:1Passwordが13対6で首位のままです。
  • 会計ソフト:QuickBooksが14対5で首位のままです。
  • CRM:HubSpotが9、Pipedriveが4で首位のままです。
  • プロジェクト管理:Asanaが6、Trelloが4で首位のままです。ClickUpは3のままです。
  • メールマーケティング:首位は消えます。Klaviyoは3に下がり、MailerLiteの4を下回ります。

5つのうち4つの首位は、最も厳しい読み方でも残ります。メールについての正直な結論は先ほどのとおりで、先頭の席は誰のものでもありません。

CRMについてもう1点。質問もスコアも異なる7月のサンプルでは、Salesforceが首位でした。今回は、HubSpot vs Salesforceの質問に名前が入っているにもかかわらず、30件中1件でしか最初に挙げられていません。手法が変わっているので、これを下落とは呼べません。質問が答えを形づくることを示す例です。

アシスタントごとに候補が違います

そもそも、回答にどのブランドを入れるかでも、アシスタントの判断は一致しませんでした。

  • NordPassはパスワード管理の回答12件に登場しました。Claudeが6件、Geminiが6件で、ChatGPTは0件です。
  • RoboFormはパスワード管理の回答9件に登場し、そのうちChatGPTの回答は1件もありませんでした。
  • Wrikeはプロジェクト管理の回答10件に登場し、そのうちChatGPTの回答は1件もありませんでした。

3つのアシスタントは同じ10問に答えています。つまり「AIが当社を推薦している」という文は、まだ途中です。どのアシスタントが、どの質問で、何番目に挙げているのでしょうか。

ロングテールは回答1件分の深さしかありません

分野ごとに数えると、回答に登場したブランドは少なくとも214あります。そのうち少なくとも119、つまり半数以上は、1件の回答にしか登場しませんでした。

1件の回答は、偶然に近いものです。3つの購買質問を1週間あけて2回聞いた調査では、Teamwork.comの登場が30件中28件から30件中2件に変わりました。

一度だけ登場したなら、それは手がかりであって、ポジションではありません。喜ぶ前にも、慌てる前にも、もう一度確認してください。

この結果をどう使うか

  1. 最初に挙げられた回数を、登場回数とは別に追ってください。登場回数が伸びていても、2番手が続いていることが隠れてしまう場合があります。
  2. アシスタントごとに確認してください。平均すると、あるアシスタントにまったく挙げられていない事実が見えなくなります。
  3. 競合が先頭に立つ質問を見つけて、その回答を読んでください。首位のブランドが何を評価されているかを見れば、その回答が何を軸に組み立てられているかがわかります。
  4. 確認を繰り返してください。1件の回答は動きます。数週間にわたるパターンなら、行動の根拠になります。

各分野の順位、質問、情報源はAI Visibility Indexで確認できます。自社ブランドがAIの回答に登場するか、何番目に登場するかを知るには、無料チェックをお試しください。

数え方

  • データ:AI Visibility Indexの2026年9月28日実施分。ソフトウェア5分野、各10問の購買質問です。質問はすべて英語です。
  • アシスタント:OpenRouter経由のChatGPT(openai/gpt-5.6-luna:online)、Claude(anthropic/claude-sonnet-5:online)、Gemini(google/gemini-2.5-flash:online)。いずれもウェブ検索ありです。各質問は会話履歴なしで1回ずつ聞き、150件すべての回答が返ってきました。
  • 登場:モデル(openai/gpt-6-luna)が、各回答で選択肢として示されたブランドを登場順に抽出しました。1件の回答につき、ブランドは1回と数えます。
  • 最初:その抽出リストの先頭のブランドです。登場順であって、順位ではありません。質問は順位を求めていません。
  • 限界:Indexが保存しているのは件数で、回答本文ではないため、回答を引用できません。各分野のブランドは最大50件までで、CRMとプロジェクト管理はその上限に達しています。そのため、ロングテールの数字は最小値です。各分野10問の結果は傾向を示すもので、市場の順位ではありません。